高齢者の破産

解決事例

【70代女性】

事案:財産管理、相続

 

 

相談内容

 

70代後半の女性の方から相談がありました。

65歳で夫が会社を退職しました。

夫は転職や病気で収入が安定しなかったこともあり、退職金は少なく、あまり貯金もできませんでした。

クレジットカードは買い物の時に、キャッシングは生活費が足りない時などに利用し、毎月返済をしてきました。

夫の退職後、年金をもらうようになりましたが、二人の年金額は少なく、夫は契約社員で仕事やアルバイトをし、私もパートを続け、贅沢もせずに細々と過ごしてきましたが、毎月の収入は生活費と返済で消え、生活に余裕はありませんでした。

数年前に夫が亡くなり、夫の収入分がなくなりました。

また、最近は、物価が上がり、節約しても生活費の支出が増えました。

そのため、クレジットカードの利用やキャッシングが増えていき、だんだん返済が遅れるようになり、債務が膨らんでしまい、とうとう返済が難しくなりました。

子ども達はすでに独立して家庭を持ち、私にはかわいい孫もできました。

借金のことで子ども達には絶対に迷惑をかけたくありません。

 

 

対応

 

ご相談者さんのように、高齢になるにつれて、収入と支出のバランスが崩れ、債務超過に陥ってしまうケースがあります。

債務を返済していくためには、基本的には、収入を増やすことと支出を減らすことが必要になり、返済のための余力原資があることが前提になってきますので、それらを検討することにしました。

相談者さんの場合、収入面については、ご自身はパートをされていますが、これ以上仕事を増やして収入を増やすことは体調的にも困難でした。

支出面については、贅沢せずにこれまで節約をされてきましたので、家計収支を見ても、これ以上の節約をするのには限界がありました。

借金を延滞し、支払えない状態が続くと、債権者から裁判を起こされ、さらには、給料や預貯金の差押えをされてしまうこともあります。

幸いにも、相談者さんは、債務の返済がなくなれば、年金とパート収入で生活費はなんとかなりそうでした。

仮に、債務の返済がなくなっても、生活が成り立たないのであれば、生活保護受給を検討することもあります。

 

 

結果

 

そこで、相談者さんは、弁護士に依頼し、裁判所に自己破産の申立てをすることになりました。

自己破産の申立て手続きでは、必要な書類がたくさんあり、その準備だけでも数か月かかることも少なくありませんが、経験豊富な弁護士が手続きを手伝いましたので、スムーズに準備、申立ては進みました。

そして、無事、裁判所から免責許可決定をもらうことができ、債務を支払わなくてよくなりました。

 

 

弁護士から

 

相談者さんは、自己破産のことを子ども達には内緒にしたいとのことでした。

この点、ご本人が言わない限り、基本的には子ども達に知られることはありません。

また、自己破産をしたら、債務が子ども達にいく(引き継がれる)のではないかとも心配されていました。

しかし、子ども達自身が債務の保証人になったり、連帯して債務を負ったりしていない限り、子ども達が債務を負うことはありません。

なお、自己破産をする方法ではなく、相談者さんが亡くなった段階で、子ども達が相続放棄をするという方法もあります。

とくに、相談者さんが非常に高齢の場合には、選択肢の一つになることがあります。

しかし、相続放棄は、債務だけでなくプラスの財産(例えば、持家や預金など)も引き継げなくなること、手続きとして家庭裁判所に申述をする必要があること、子ども達が相続放棄した後は、相談者の両親(亡くなったいることが多い)、さらには兄弟姉妹(甥姪)に債務が相続されますので、それら身内の方も同様に相続放棄手続きを取ってもらう必要が出てくることなど、さまざま考慮する事柄があります。

このようにして、相談者さんは、無事、子ども達に迷惑をかけることなくして、債務から解放されることができました。

高齢者の借金問題は、ご本人だけの問題にとどまらず、子ども達や身内にも関わってくる複雑な問題を含むことがありますので、できる限り早い段階で、弁護士などに相談することが大切であるといえます。

 

 

 

※これらの解決事例は実際に当事務所での取扱事案ではありますが、個人や事案の情報を保護する目的で一部変更をしている個所もあります。


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